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赤の紋章 2

2013.08.13 (Tue)
 そして、ジェフは言った。
 「祈れ」
 「祈れ・・・?」
 「この戦いを終わらせるんだ」
 「でも」
 「あそこへ行け!!そして祈れ!!ファリガーナとの交渉権を持つのはお前だけだ!!」
 ジェフは玉座の上にある、祈りの座を指差した。
 その間にも地面は揺れ続けた。
 「・・・・・・!!」
 エレナは祈りの座に上り、そこに跪くと、無我夢中で祈った。
 
 この戦いを終わらせてください――。
 もう誰も死なせないでください――。

 エレナは生まれて初めて神に祈った。
 神など信じていなかった。
 いるのなら、酷い目に遭う子供たちも、殺し合いも、不幸なことなど何もないと思っていた。
 しかし、今は違った。

 いてもいなくてもいい。誰でもいい。
 この戦いを終わらせて――。
 
 それと同時に、地揺れが止まった。
 そして、エレナは光に包まれた。





 目を開けると、全てのものが止まっていた。
 眩しいものを感じて、エレナは顔を上げた。
 目の前に、ファリガーナその人が立っていた。
 「ファリガーナ様・・・?」
 ファリガーナは悲しそうに微笑んだ。
 「そなたの一族は、暴虐無尽を働き、民を死に至らしめました。そなた自身も。もう、これ以上、この地を人間に開いておくわけにはまいりません」
 「そんな・・・それじゃ・・・」
 「この地の民は全て死に絶え、島は元の形を取り戻すでしょう」
 「そんな!その責めがあるのは私の一族です!!みんなまで巻き込むなんて!!」
 「わたくしとの契約を、エリオスの子孫から聞きましたね?そなた達は、契約を破りました。もうこれ以上は――」
 「お願いです!!」
 エレナはファリガーナの前に、泣きながら身を投げ出した。
 「一族の罪は私が償います!!未来永劫、地獄の業火で焼かれてもかまいません!!ですから民の命は!!それだけは!!」
 「・・・・・・」
 ファリガーナは、エレナの必死の姿に、二千五百年前と同様に心を動かされた。
 しばらくの沈黙の後、ファリガーナは再び口を開いた。
 「・・・ならば、わたくしとの約束を守り、選択しなさい、リアーナの生まれ変わりよ」
 「約束・・・?」
 「覚えていないのですか」
 ファリガーナはエレナに近付くと、そっとその額に指先を当てた。

 エレナの眼前に、二千五百年前の光景が広がった。

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