彼女の童話観

2015.02.04 (Wed)
 ジェフがエレナの家に居候になってから。
 満月の夜が近づき、エレナさんは神経を尖らせていました。
 エレナさんは毎月満月の夜になるとひどい悪夢を見て、自分の叫び声で目を覚ますのです。

 「・・・小さいとき、父さんや母さんが生きていた頃よ。満月の夜になると私が泣き叫んで目を覚ますのを知っていたのね。よく寝る前に昔話なんかをしてくれたわ」
 「ほう」
 ジェフさんはエレナさんがぴりぴりしているのを知りながら相槌を打ちました。
 「父さんや母さんはもう亡くなって、十歳くらいからずっと思ってたんだけど、」
 「何だ」
 エレナさんはどうしようもない恐怖心からか、いつになく早口でまくし立て始めました。
 「『シンデレラ』のガラスの靴ってどんな強化ガラスよ?」
 そこは突っ込んではならないところです、エレナさん。
 「『大きなかぶ』だってそんなに大きければそんなに大人数で引っ張らなくたって掘り返せばよかったんじゃないの?そんなに力いっぱい引っ張ったら普通葉っぱもげるわよ」
 それは一理あります。
 「『白雪姫』の毒りんごだって、のどにりんごを詰まらせただけであって、別にわざわざ毒りんご用意してやらなくも良かったんじゃないの?私の毒りんごなら口にした瞬間あの世行きよ」
 さりげなく怖いことを言っています。
 「それから、『眠れる森の美女』って百年眠るように魔法がかけられていただけで別に王子様のキス必要なかったんじゃない?っていうか世の中ではキスで目を覚ますのが世の中のお姫様の定めなの?私だったら知らない人にキスされて目を覚ますなんて絶対に嫌よ!」
 「・・・お前、満月の前で気が立ってるからって童話に当り散らすのはよせ。子供の夢をぶち壊すな」
 ジェフさんは真剣に童話を非難しているエレナさんを哀れんだような目で見つめてやっと口を挟みました。
 「ああ、もう早く朝になればいいのに!!」
 そう言ったきり、エレナさんはテーブルに突っ伏してしまいましたとさ。





満月に寄せて。
エレナやり場のない不安感にぶちギレ( ̄∀ ̄)
この間の『満月の晩に』はかなりほのぼのとしたお話になってたのに、
新澤の精神状態のせいで同じ満月話でもこんな毒々しい話に(笑)。
これらはもちろん新澤の中でずっと疑問に思っていたことで、
某様のサイトに別形態で献上したものを、
赤の紋章ワールドに置き換えて書き直しました。
どこかで似たような文章を見かけたと思ったら、それは私です。
当然ですが、この突っ込みの数々は私がずっと抱いていた疑問や突っ込みの数々です。
夢、持とうぜ、自分・・・。


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