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消えない虹

2015.03.26 (Thu)
 「ジェフ!ジェフ!!」
 夕暮れ時、寝椅子でうたた寝をしていたジェフは、急にエレナにたたき起こされた。
 「何だ」
 エレナのこんなに興奮した声は聞いたことがない。
 ジェフは何事かと重いまぶたを開けた。
 「見て!すごいんだから!」
 エレナはジェフの腕を引っ張り、外へと連れ出した。
 外に出てみると、雨上がりのひんやりとした空気に頬を撫でられ、そして、見事なまでの七色の半円が目に飛び込んできた。
 「今日のはでかいな・・・」
 ジェフも思わず呟いた。
 「ねえ、ジェフ」
 エレナはずっと掴んでいたジェフの腕を軽く叩いた。
 ジェフが虹から視線を外し、エレナを見下ろすと、エレナは少しだけ頬を染めて口を開いた。
 「口付けて」
 「は!?」
 突然の発言に、ジェフは狼狽した。
 「・・・私とじゃ、嫌?」
 「嫌って・・・口付けくらい何度もしてるだろう」
 「そうじゃなくて!虹の伝説、知らない?」
 「虹の根元には宝物が埋まってるんだろ?」
 「そういう話もあるけど、両端の根元まで消えることのない虹の下で口付けを交わした恋人達は、ずっと離れることなく一緒にいられるんですって」
 「初耳だ・・・」
 というか、エレナもそんな伝説を信じるのかと、そちらの方が衝撃だった。
 「私は・・・、ただあなたの傍にいられれば、それだけでいい。他には何もいらない」
 真っ直ぐに目を見てそんなことを告げられては、くらくらしない方がおかしい。
 「・・・あなたが背負うものの大きさや重さは私なりに理解してるつもりよ。今は何でか知らないけど、私のところにいてくれてるけど、いつか旅立つ日が来るかもしれないってことも。でも・・・、せめておまじないくらい、したいと思っちゃいけないかしら・・・?」
 エレナはまだ知らない。
 ジェフが命を懸けて守るべき相手が自分自身だと。
 天空の舞姫、セレスティア。
 彼女の本当の名前だ。
 あの虹の元、広い空で自由に、舞うように生きてほしいと願われてつけられた名なのだろう。
 いつかそんな事実を告げる日が来るかもしれない。
 いや、来るだろう。それでも・・・。
 「いや・・・」
 ジェフは泣き笑いのような笑みを浮かべて、エレナの長い髪を梳いた。
 「命のある限り、お前の傍に在ろう」
 「・・・ありがとう」
 それから、二人はゆっくりと唇を重ねた。
 待ち構える未来がどんな形であろうと、今この瞬間を重ね、そのときを迎えたい。
 ジェフはエレナを抱きしめ、そのほっそりとした手を握り締めた。

 儚い七色の光は、日が暮れるまで広い空で淡く輝き続けた。






 歌に感化されて書いてみましたシリーズ第二弾。(第一弾は『The Beginning』)
 吉/岡/亜/衣/加さんの『消/え/な/い/虹』より。
 エレナの言う虹の伝説は新澤が急ごしらえで作ったもので、こっちの世界ではないと思います。
 それを見た者は幸せになれるという、太陽が水平線に沈むときのグリーンフラッシュの言い伝えみたいなものだと思ってください(笑)。
 珍しくギャグらずエロくもならず私にしてはほんわかできたのではないかと!
 ほのぼのしたものを書きたいという目標にもちょっと近づいたかな!?
 って、『消/え/な/い/虹/』の歌詞の力も借りているんですけど(苦笑)。
 「この世で一番近くにいられるだけでいい」
 これは言わせたくてちょこっとだけ変えてエレナさんに言ってもらいました。
 やっぱ作者がデレ属性にあるからかエレナをデレッデレにするのが楽しいし楽だ!
 ・・・初めてジェフ×エレナでほわほわしたお話書いた気がする。
 この二人でもほわほわできるってことだな!
 薄ら暗い背景は置いといて!!

 書いてて楽しかったですv
 よろしければ感想などいただけると喜びます!
 お付き合いいただいてありがとうございましたv


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