暴動

2015.02.28 (Sat)
 動き出した民衆の波はどんどん広がり、国の半数の人間が暴動に加わっていた。
 行く先々で、動揺する騎士団の砦に火を放っては、踏み潰し、また自らの仲間からも犠牲を出しながら前進し続けた。
 民衆の勢いは衰えるどころかいよいよ強さを増していった。
 
 「無事か!!」
 背中合わせにいるウィルに、ジェフが叫んだ。
 「ああ、何とかな!!」
 剣が鳴る。
 人々の阿鼻叫喚の中、民衆は血路を開いて、ついに城までたどり着いた。
 もしエレナが捕まっていなければ、エレナのことだ。すぐにこの暴動を聞きつけ、仲間に加わっただろう。
 しかしどこを探してもいない今、もはや彼女が囚われの身になっていることは容易に想像できた。
 「エレナを探せ!!この中にいるはずだ!!」
 城門を打ち砕きながら、民衆は叫んだ。
 そして、ついに城門が開かれ、ウィルとジェフは城に入った。
 「どこを探す!?」
 ウィルが衛兵を斬り倒しながら叫んだ。
 「牢にいるとは考えにくい。おそらく最も堅固なつくりになっている玉座の間に国王共々隠されているはずだ!」
 「もし他の部屋にいたら!?」
 一瞬の思案の後、ジェフは叫んだ。
 「二手に分かれよう。俺は玉座の間へ行く。あそこは王族の連中が守ってるはずだ。お前は城中を駆け回ってくれ。そしてもしエレナを見つけたら――、俺のところへ連れてきてくれ。真実を話す」
 「あいつまだ知らないのか!?」
 ジェフに殺してくれと頼むことになることを――。
 「自分が王女だということは話した。だがその先はまだだ」
 「・・・わかった」
 そうしてウィルは駆け出した。
 「生きて戻れよ!!」
 「あんたもな!!」
 ウィルの背にジェフが声をかけ、振り向きざまにウィルも返事をした。

 城を駆け回っていても、衛兵とはほとんど出くわさなかった。
 外の騒ぎを治める為、皆出払っているのだろう。
 長い長い回廊を走り、部屋から部屋を覗いて回った。
 そして二階の回廊を走っているとき、真っ白な服に身を包んだエレナが走ってくるのを見つけることができた。

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