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彼の秘密

2013.08.31 (Sat)
「よいか、これは内々の仕事だぞ――」

コルニクスから命。
それは、
「二十三年前に殺したはずの王女が生きているやもしれぬ。何としても探し出せ」
というものであった。
そのために、クレストは肖像画庫へ呼び込まれたのだ。
王女の人相を覚えるために。
クレストは一礼すると、肖像画庫を去った。

しかし、肖像画庫を去ったクレストはいまだ動悸がおさまらず、ぎゅっとローブの胸のあたりをつかんだ。
――王女が生きている・・・?
王女が生きているなら、まだこの国にも望みがあるのではないか。

クレストは、今では執政補佐官となっていた。
その優れた頭脳と従順な性格から、コルニクスからいたく気に入られていた。
しかしその彼も、ファリガーナからの恩寵のもとに生まれついた高貴なるものの一人であった。

言の葉の一族の末裔――。

決して悟られてはならない。
決して城を追われるわけにはいかない。
父親の後を継ぎ、この国の王家を守ることを誓ったのだ。
そしてそれと同時に民を守るということも・・・。

王女を殺したと知った時、クレストは目の前が真っ暗になるのを感じた。
殺されたとされているのは、歴史上五番目の王女。
すべてを海に帰すと予言された、歴史が待ちに待っていた王女だ。
それを、国王の狂気により殺してしまうなんて――。
しかし、ディーウィティア亡きあと、二人もの後妻が娶られたが、二人とも子を成さなかった。
王位継承権を持つ世継ぎが生きている限り、王家には二度と子は生まれない。
ディーウィティアが生んだ、セレスティア王女は生きている・・・。
そう考えるのが妥当であった。

しかし、王女を探そうにも、どう探したらいいものか。
クレストが考えあぐねていたちょうどそのころだった。
地下牢に侵入者が押し入ったと聞いて、クレストも駆け付けた。
そこで目にしたものは、逆族として死んだはずのかつての上官、ジェフと、肖像画の女王たちと同じ顔をした、まごうことなき姿をした王女のそれ――。

見つけた。
希望の光を。
この国はまだ、生きられる。

クレストは剣を抜いた。
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