Lady of Sky

2014.05.23 (Fri)
Lady of Skyは、本編ありきで物語が進みます。
本編を未読の方は先に本編をお読みになることをお勧めします。
また、本編を違う人物の目線で追って書いたものなので、本編と台詞がかぶる場所が多々あります。
ご了承ください。
本編はこちら

Lady of Sky3
Bloody Crest  Side Erena


■プロローグ
 
 

■第一章 
 出逢い 
 別れ 
 目醒めるとき

■第二章
 盗賊として   
 吟遊詩人
 生きる道    
 女神の贈り物
 再会

 ■第三章
 ジェフ     
 贖罪  
 出国を禁ず
 言の葉の一族を愛した女
 アルフェンドラ   
 自由の船   

■第四章
 セレスティア    
 赤の紋章    
 選択  
 終焉new 

 あとがきnew 




にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

Lady of Sky あとがき

2014.05.18 (Sun)
天空の舞姫、終了です。
本編と被るところがたくさんあってごめんなさい!!
でも変えようがなかったんです!!

エレナ編ではエレナの目線で書いてみましたがいかがだったでしょう。
本編では割とあっさりしていたエレナも実はジェフにべた惚れだったということが暴露されました。
剣振り回して盗賊と渡り合ってても、心はちゃんと女の子です。

エレナ編の教訓は、大切なひとにはちゃんとその思いを伝えて後悔しないようにしましょうというところでしょうか。
何事もなく暮らせる日々のありがたみをエレナは死ぬ直前に痛感しました。
ジェフと過ごした日々は彼女にとって宝物のような日々だったはず。

エレナとジェフの死後は書いていいものかどうか悩みましたが、
二人ともちゃんとベルスがもう一度歩み出すところを見届けたんだよとお伝えしたくて、
書いちゃいました。
本編のままが好きな方は本編のラストだけ記憶してください(^^;)

ちなみに新澤は舞姫のラスト数行を書きながら泣きそうになりました自分で書いててすみません。
お手軽な奴です。

舞姫と言えば、Ladyはどうやっても“舞姫”とは訳されませんので、
学生さんがここを覗いていたら間違えて覚えないでください。
意訳ですから。

王族は古代語で名前を付けることが常ですが、
女性の場合、~~ティアがつくと、“~~の姫君・舞姫”になります。
エレナの生みの母、ディーウィティアは『宝玉の姫君』、
エレナのセレスティアは『天空の舞姫』となります。

Lady of Skyはもうそのままエレナの物語・・・です。
どうでしたか?エレナの物語。

感想などお寄せいただけるとめっちゃ喜びます!!
赤の紋章ワールドはまだまだ続きます(の予定)のでこれからもどうぞごひいきに!

Lady of Skyを最初から読んでみる
Lady of Sky4 



本編はこちら
赤の紋章タイトルバナー 



読んだよぱち☆
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村

終焉

2014.05.18 (Sun)
 それですべてが終わったはずだった。
 しかしエレナは気付くと、二階の回廊に立っていた。
 隣にはジェフもいて、二人で当惑して顔を見合わせた。
 「私――、死んだんじゃ・・・?」
 「俺も死んだはずだ・・・」
 地揺れは治まり、中庭では、民衆と王族が取り落とした武器が朽ちて土に還り、しんと静まり返ったところだった。
 そこへ、クレストがやってきた。
 クレストは二人に気付かないかのようにその前を素通りして、民衆に語りかけた。
 「この国の歴史を話そう」
 クレストが民衆に語りかけた。
 長い話だった。二千五百年前まで遡り、今、エレナの死を告げた。
 「この国の守り神、ファリガーナとは、古い言葉で『海』を表す。五番目の王女は全てを海に還し、王国の終焉を招くであろう・・・五番目の王女、セレスティアは、エレナは、自らも罪を犯した。しかしその命をもって、王権も、我々の恩寵も、罪と罰も、全てをファリガーナに還したのだ。王女は戻らない。だが幸福のうちに死んでいった。・・・もう殺し合いはやめよう。これからは皆平等に国を治めるんだ。それが、ジェフとエレナの願いだ」
 民衆の中には泣き崩れるものあった。

 「・・・終わったのね」
 エレナは零れる涙をぬぐおうともせず、殺し合いのなくなった中庭を見下ろしていた。
 「ああ・・・」
 エレナはそっとジェフの手を握った。
 ジェフもその手を握り返した。
 雲間から朝の日差しが差し込んできた。
 エレナは自分の手がさらさらと光りながら風にとけて行くのを見た。
 ジェフも同じように光となって消えていくところだった。
 「ファリガーナが、俺たちに見せてくれたのかもしれないな。この国の終焉と、新たな始まりを」
 「そうね・・・」
 さらさらと天空へ消えゆくその刹那、二人はどちらからともなく唇を重ねた。
 
 願わくば、もう一度生まれ変わって、その時には、平穏に結ばれますよう――。


Lady of Sky
天空の舞姫
 


前へ        あとがきへ

本編はこちら
赤の紋章タイトルバナー 



にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村

選択 2

2014.05.16 (Fri)
 選んでしまった。
 取り返しのつかない絶望感に苛まれながら、まだ自分の意識がさまよっていることを不思議に思った。
 全身が燃えるように熱く、ずきずきと痛んだ。

 頬を撫でられるのを感じてエレナが目を覚ますと、ジェフに抱きしめられているのに気がついた。
 まだ玉座の間にいて、地揺れも止まっていなかった。
 「クレストは・・・?あの人、紋章官一族の末裔だって言ってたわ・・・」
 「わかってる。あいつは俺の胎違いの弟だ。今すべてを託した」
 「私が生きてるということは、まだ終わっていないのね・・・」
 エレナの目から、安堵の涙が零れた。それと同時に、不安を口にした。
 「私をこの世で一番愛してくれてる人って誰かしら・・・」
 あれほど自分を思っていてくれたウィルは、恐らくもうこの世にいないだろう。
 ジェフはしばしの間黙っていたが、やがてエレナの髪を梳きながら言った。
 「俺だ」
 「え・・・?」
 「お前を、愛してる」
 「そんな・・・だって・・・」
 エレナは信じられなかった。
 これほど年も離れているのに――。
 「信じられないか?無理もない・・・必死で隠してたからな」
 ジェフは苦笑した。
 「どうして・・・」
 「・・・わかってるはずだ」
 「私を・・・殺さなきゃいけないから・・・?」
 ジェフはエレナに口づけた。
 エレナの頬を、涙が一筋伝った。
 「私も・・・あなたを愛してる・・・。ジェフ・・・、私を殺して・・・・そして・・・逃げて・・・」
 「お前一人残して行くわけないだろう。もう二度と見失わないと言ったはずだ」
 ジェフは、エレナの髪を梳きながら優しく言った。
 「私・・・選んでしまった・・・あなたを・・・」
 「ああ。わかってる」
 「わかって・・・?」
 「古文書の最後の章を読み解くことができた。・・・五番目の王女はどんな選択をしても、歴史は繰り返さず新たな道を歩み、彼女を愛した者の手によって、全てが赦されるだろうと・・・書かれていた」
 「・・・私は・・・赦されなくてもいい・・・みんなが・・・生き延びてさえくれれば・・・」
 「・・・大丈夫だ。だが・・・お前には謝らなければならない・・・」
 「謝る・・・?」
 「・・・お前は王女だと、もっと早く言うべきだった」
 「そんなことないわ・・・」
 エレナは弱々しく笑った。
 「何も知らずにあなたと過ごせた時間、私は本当に幸せだった・・・」
 一つ屋根の下で暮らしたあの日々が、永遠に続けばいいと願っていた。
 「そうか・・・」
 ジェフは微笑んだ。もう一つ、と、ジェフは後悔の念をにじませた。
 「お前を愛していると、もっと早く、伝えればよかった・・・。成長したお前と出会ってから、日に日にお前を愛する気持ちは強くなっていった・・・」
 「そうね・・・」
 エレナの頬には、涙が幾筋も伝っていた。
 「私は子供は産まないと決めていた・・・だけど、あなたの子なら・・・産みたかった・・・」
 ジェフはぎゅっとエレナを抱き締めた。
 「ジェフ・・・愛してるわ・・・子供のときから、ずっとあなたが好きだった・・・」
 素直になれなくて、ごめんなさい・・・。
 「ジェフ・・・」
 エレナは最期の力を振り絞って、ジェフを抱き締めた。
 「ああ・・・私、こんなにあなたを愛してる・・・」
 どうしてもっと早く素直にならなかったんだろう・・・。
 「もっと早く、言えばよかった・・・」
 アダムの言ったとおりだった。
 エレナは素直に想いを伝えなかったことを後悔していた。
 「・・・俺もだ・・・」
 ジェフはエレナにもう一度口付け、震える手で剣を構えた。
 エレナは微笑んでいた。
 もう、自分の出生を呪うのはやめよう。
 こうして、ジェフと出会うことができたのだから――。
 「・・・エレナ・・・愛してる・・・」
 ジェフの囁きが聞こえたのと、剣に貫かれるのを感じたのはほぼ同時だったが、鉄の冷たさも、痛みも感じなかった。
 ただ、ジェフへの愛だけを感じて、エレナは息絶えた。

 
 前へ       次へ

本編はこちら
赤の紋章タイトルバナー 


にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村

選択 1

2014.05.15 (Thu)
 エレナはボロボロと涙をこぼして目を開いた。
 「私を愛してくれている人に・・・殺してくれと、頼めと・・・?」
 「そうです。そう契約しました。・・・ですが、そなたにも人を殺めた罪があります。生きて償ってもらう為に、別の選択肢を与えましょう。この国の民全ての命を取るか、そなたの最も愛する人間の命を取るか、選択しなさい」
 「そんな・・・!!」
 「どちらかを選べば、どちらかが滅びます」
 「そんな・・・!!もうやめてください、そんなこと!!私一人が全ての罪を負います!!子孫代々でもなく、私が!!」
 ファリガーナは微笑み、消えていった。


 ガクンッとエレナは現実に戻った。
 もう誰も死んで欲しくない。
 誰にも――。
 そのときエレナの目に入ったのは、ジェフに狙いを定めて弓矢を引き絞るクレストの姿だった。

 考える間もなかった。

 もうやめて――。

 エレナは、祈りの座から飛び降り、ジェフの前に飛び出した。
 何も考える間もなく、選んでしまった。
 ジェフを――。
 心から愛した人を――。

 青蛇の毒の塗られた矢は、エレナの胸を真っ直ぐに打ち抜いた。

前へ       次へ

本編はこちら
赤の紋章タイトルバナー 


にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村
back-to-top